耐震診断
今日、「耐震診断」をやってきました。耐震診断は、簡単に言えば壁の量・壁のバランス・筋交いの量をチェックする作業です。昭和56年5月以前に建築した建物は、絶対的に南側の壁量が少ないですね。やはり、日本建築は高温多湿なので南側を開放にして風の通りをよくすると言う生活の知恵でした。この考え方は、私は賛成です。しかし、壁量はしっかりと作らないといけませんけどね。
最近は耐震を重視するあまり、窓を小さくすると言う傾向があります。これは、結構な事なんですがちょっと極端すぎる建物がたまに見受けられますね。これでは、明らかに風の通りが悪そうだなと思える建物があります。やはり、生活空間を第一に考えれば風と光の自然を無視することは出来ないでしょう。
耐震は壁のバランスが一番大事です。北側には耐力壁があるのに南側には少ないので、地震がくるとねじれて倒壊します。バランスが良いと、壁量が少なくてもすぐには倒壊しません。
今回の、耐震診断ではそれ以前の問題にびっくりしました。それは、筋交いの入れ方です。本来、筋交いは建物が揺れたときに踏ん張る役割をします。この筋交いは先端がとんがっています。これでは、力がかかっても踏ん張る事が出来ません。刺さってしまうだけですね。私も、32年大工をやっていますがこんな筋交いを見たのは初めてです。今日はそんなびっくりした事の報告でした。
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