スモール建具
以前、母親の実家を建て直した時の事です。それまでの家は既に亡くなって
いない祖父が昭和10年に建てた家でした。
私は、いつも建て替えの時は今までお世話になった家の一部を新しい家に
残す事にしています。使い場所がなかなか無い場合は、柱一本をそのまま
小屋裏に収めています。
今回は、無垢の建具が何本かあったのでこの建具をどこかに使おうと思いま
したが材料があまり良くなかったので、建具として使わずに建具の飾りとし
て残す事にしました。
建具屋さんにお願いして、大きい建具をばらしてもらい削り直して「スモール
建具」の復活です。玄関に入って正面に飾られています。
わざわざ、古いものを使うより新しく作った方が確かに安上がりです。しかし、
物が無かった時代に祖父がやっと建てた家のカタミとして残したかったのです。
これはお金では買えない掛け替えのない物なのです。
いつも訪問するたびに、「祖父が見守っている」そんな気がしてなりません。
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